厚生年金脱退一時金改正
2021年6月14日
脱退一時金制度とは
日本国籍を有しない外国籍の人が国民年金、又は厚生年金保険の被保険者資格を喪失し、日本を出国した場合に受けられるものです。日本に住所を有しなくなった日から2年以内に脱退一時金を請求できます。
脱退一時金の受給要件と受給額
- 日本国籍を有していないこと
- 厚生年金保険の被保険者期間の月数が6か月以上あること、又は国民年金の保険料納付期間と保険料免除期間を合算した月数が6か月以上あること
- 日本に住所を有していないこと
- 年金を受ける権利を有していたことがないこと
受給額は被保険者期間に応じて下記のように計算されます。
「平均標準報酬月額×支給率」
支給率とは最終月(資格喪失日の属する月の前月)の属する年の前年10月の保険料率に2分の1を乗じた率に加入期間に応じた支給額計算の数を掛けたものとなります。
今回の改正で被保険者期間の上限が36月から60月になりました。
国民年金の脱退一時金についても保険料納付期間の月数の上限も同様になりました。
最後に保険料を納付した月が令和3年3月以前の場合は従来通り36月を上限として支給されます。5年分支給の対象となるには令和3年4月分の保険料を納付していることが必要です。
外国人にとっての年金制度
外国人の方は日本の年金制度についてどのように考えているかと言えば、制度には加入したくないという方も多いようです。数年で帰国予定の方は加入を回避したい方向のようです。日本の年金を受給するつもりはなく、メリット・デメリットも把握していないというのが現状のようです。
メリットとしては年金制度に10年加入すれば老齢年金は受給権ができます。社会保険協定のある国なら期間通算できる場合があります。デメリットとしては保険料を納付していないと、万一のとき障害年金の受給ができないこと、脱退一時金を受け取ると年金制度の通算はできなくなること等です。