令和4年1月1日から施行 電子帳簿保存法の補足説明
2022年1月6日
電子帳簿保存法の改正
経済社会のデジタル化を踏まえ、経理の電子化による生産性の向上、記帳水準の向上等に資するため、令和3年度の税制改正において「電子帳簿保存法」の改正が行われ、令和4年1月1日から施行されます。
改正内容は、電子帳簿等保存に関する事前承認の廃止や、タイムスタンプ等を利用した優良な電子帳簿については過少申告加算税の軽減措置、最低限の要件を満たす電子帳簿についても電磁的記録として認める、スキャナ保存についても要件の緩和等、以前の状態からかなり使いやすくなった印象です。
問題は電子取引に関する改正事項
この電子帳簿保存法改正で、一番頭を悩ますのは「電子取引に関する改正」です。多くの方が「えっ!?」と思うのは「電磁的記録の出力書面等の保存をもってその電磁的記録の保存に代えることができる措置は、廃止されました」という一文です。
今まで領収書をメール等で受けとって、それを紙で出して保存していたという会社も多いとは思いますが、それが原則禁止となってしまいます。
罰則はあるのか?
国税庁は「電子帳簿保存法一問一答」という文書で「保存要件を満たさないため、全て書面等で出力して保存しているのだが、青色申告の承認取り消しや、経費として認めないということはあるのか?」という問いに対して「青色申告の承認の取り消し対象となり得る」と回答しました。
この回答については問合せがとても多かったのか、後に「お問合わせの多いご質問」として補足説明を出しており「書面保存等していた場合でも、それ以外の特段の事由がないにもかかわらず、直ちに青色申告の承認が取り消されたり、金銭の支出がなかったものと判断されたりするものではない」と、表現をとても柔らかなものへ変更しています。つまりは、電磁的な保存をしていなくても、それだけでは青色の取り消しや経費の否認はないということです。