歯の治療費と医療費控除
2022年3月30日
歯科診療で医療費控除の対象となるもの
歯科医師の診療・治療に対する支払で、病状などに応じて一般的に支出される水準を著しく超えないものは、医療費控除の対象となります。ただ、保険がきかないもの(自由診療)や、高価な材料を使用する場合など判断に迷うものもあります。具体的な例を見ていきましょう。
(例1)金やポーセレン(セラミック)を使用した歯の治療費…医療費控除の対象(○)
歯の治療のために一般的に使用される材料を使用するのであれば、健康保険の適用がなく、高額となったとしても控除の対象となります。金やポーセレン(セラミック)は、現在では一般的に使用されているものですので、控除の対象となります。
(例2)インプラント治療・入れ歯(義歯)…医療費控除の対象(○)
(例1)と同じ考え方です。治療等が失われた歯の機能を補う目的の一般的なものである限り、控除の対象となります。
(例3)発育段階にある子供の不正咬合の歯列矯正…医療費控除の対象(○)
歯列矯正を受ける方の年齢や矯正の目的などからみて社会通念上歯列矯正が必要と
認められる場合、控除の対象となります。
(例4)容ぼうを美化するための歯列矯正の費用…医療費控除の対象外(×)
歯の治療に対する支払ではないので、該当しないこととなります。
(例5)小さいお子さんの通院に付添いが必要な場合の付添人の交通費…医療費控除の対象(○)
通院費に含まれます。この場合、通院日・金額も記録しておくようにして下さい(ガソリン代など、公共交通機関以外を使用した場合の費用は、控除対象になりません)。
(例6)歯の治療費を歯科ローンやクレジットにより支払う場合…その年に信販会社が立替払をした金額が医療費控除の対象
控除の対象となる医療費は、その年に支払ったものが対象であり、未払のものは対象となりません。歯科ローンの場合、治療費を信販会社が立替払をして、その立替分を患者が分割で信販会社に返済します。そのため、信販会社が立替払をした年のその立替えた金額が控除対象となります。
(例7)歯石・歯垢の除去費用・ホワイトニング…医療費控除の対象外(×)