社会保険の「年収130万円の壁」注意点や例外

社会保険の「年収130万円の壁」注意点や例外

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「年収130万円の壁」が国会で議論される

岸田総理大臣は、今年2月の衆議院予算委員会で「年収130万円の壁」について、「制度を見直す。どんな対応が出来るのか、幅広く検討する」と発言しました。

「年収130万円の壁」とは、社会保険被保険者である給与所得者の配偶者については給与所得者が負担する保険料のみで、配偶者の健康保険料及び国民年金保険料まで賄われるという年収の分岐点のことです。

社会保険の扶養から外れないよう、配偶者のパート社員が就業調整することによる人手不足への影響が問題とされています。

昨年10月以降、社会保険被保険者101人以上の企業では、①週の所定労働20時間以上、②月額賃金8.8万円(年約106万円)以上、③2か月以上雇用の見込、④学生でない、の4つの条件を満たす場合、パート社員自ら社会保険被保険者となり、社会保険の扶養から外されています(来年10月以降51人以上企業に拡大予定)。

通勤手当等も年収に含みます!

社会保険の年収には、通勤手当や家族手当、住宅手当、物価上昇で支給される物価手当等も含まれます。

通勤手当を支給されているパート社員は多いと思いますが、通勤手当を除いて年収130万円未満でも、含めると年収130万円を超える場合、扶養から外れてしまいます。

年収130万円(標準報酬月額11万円)の場合、健康保険料は月約6,600円(介護保険料含む)、厚生年金保険料は約1万円の自己負担増(給与控除)となります。

60歳以上・障がい者は「180万円の壁」

意外と見落とされやすいのが、60歳以上や障がい者の方は、年収130万円ではなく、年収180万円まで社会保険上の扶養に入れる「180万円の壁」とされています。

社会保険料負担に関しては、高齢者や障がい者の雇用は、企業に有利となります。

なお、被扶養者は被保険者の年収の半分未満という条件もあり、扶養する方の年収が低い場合は、注意が必要です。