義援金の配分方法
2024年6月4日
義援金は直接被災者へ渡る
被災地への支援の1つである義援金は、都道府県の「配分委員会」に集約され、配分委員会で定められる配分基準、基本的には人的・住宅被害の度合いに応じて、被災者に配分されます。非課税ですので、配分された義援金には所得税・住民税はかかりません。
令和6年1月1日に発生した能登半島地震では、ライフライン被害が甚大で過酷な生活を強いられているとして、七尾市・輪島市・珠洲市・志賀町・穴水町・能登町の6つの市と町のすべての住民が配分の対象となり、1人あたり5万円が支給されるとのことです。これは前例がない方法ではありますが、今回の震災については、ライフラインの復旧の遅さを考えれば、妥当という感想を持つ方が多いのではないでしょうか。
義援金のとりまとめは都道府県
義援金のとりまとめは都道府県単位で行われます。例えば日本赤十字社の寄付口座については「被災地全域への寄付」と「地域を限定しての寄付」に分かれており、被災地全体に寄付した場合は、被害があった都道府県の各配分委員会に被害状況に応じて配分され、地域を限定しての寄付を行った場合は、該当都道府県の配分委員会に送金される仕組みになっています。
被害ありの場合は「り災証明」が必要
今回の能登半島地震の石川県の義援金配分のケースでは、6市町全住民に対しての配分は1月1日時点で住民登録している方が対象となり、それ以外の人的・住宅被害の度合いに応じて配分される義援金については、り災証明書等の必要書類が準備でき、被災者からの申請があり次第配分が開始されるとのことです。
ただ、石川県の試算では、建物の全壊が22,000件を超えており、半壊においても31,000件超となっています。り災証明は今回の震災のような非常災害の場合、外観や居住者等の申請での被害状況を踏まえて判定を行いますが、基本的には現地調査を行うため、非常に時間がかかる作業です。過去の災害から言われて続けている義援金の被災者への到着の遅さですが、制度設計を抜本的に見直さなければ、これ以上のスピードアップは見込めないかもしれません。