職場感染予防に役立つマスクの素材と効果の知識
2021年3月11日
緊急事態宣言解除の動き
首都圏では新型コロナウイルス感染を抑えるため1月に引き続き、2月3月も継続して緊急事態宣言が出されていますが、解除の動きも出てきました。宣言が解除されたとしても、また、ワクチン接種が始まってもすべてが急に元の生活に戻るということではなく、マスク生活は当分続きそうです。
マスクによる予防効果は
職場でも感染予防対策として、手指の消毒、換気の実施、マスクの着用等は行われていると思いますが、マスクの予防効果は素材によって違うそうです。
昨年10月に国立大学法人豊橋技術科学大学が公表した実験結果では、マスク(不織布、布、ウレタン)とフェイスシールド、マウスシールドを着用した場合の変化が数値で示されています。
同実験結果によれば、吐き出す飛沫の外部流出量が着用なしを100%にした場合、不織布では20%程度、布では18~34%に抑えられ、ウレタンでは50%、マウスシールドでは90%と効果に差が出ました。また、吸い込み飛沫量については、不織布では30%程度に抑えられますが、布では55~65%、ウレタンでは60~70%、フェイスシールドやマウスシールドでは小さな飛沫に関しては効果なしという結果が出ています。
あるニュースによれば布マスクの人に不織布マスクを強要する事例があり、厚生労働省大臣が「一定の性能があればどちらも適正につけていただければ効果があります」と発言していました。
一般的に職場においては感染予防の観点で不織布、個人でいるときはウレタンや布も使うという方が多いのかもしれません。
会話や歌唱等飛沫量の変化
さらに会話、大声、歌唱、飲食時における呼気流量の変化についての実験も行われています。実験結果によれば大声で歌う、話す場合は大きな飛沫量は通常会話に比して10倍以上の増加、飛沫の飛び出す勢いや到達距離も1.5倍以上に増えるため、人との間隔を十分とることや換気が重要です。
厚生労働省は1月に労使団体や業種別事業主団体等の経済団体に対し、テレワークの活用、職場における感染予防健康管理の強化等への協力を依頼しています。職場でも積極的に感染予防をしていきたいですね。